2019年11月2日、Apple社の「Apple TV+」が開始となりました。
定額制動画配信サービスといわれる、いわゆる見放題サービス。
Appleの創るサービスというわけで、システムVOD最高峰。
ただ、従来の見放題とは、ちょっと異なりますので。
量より質のApple TV+です。
もくじ
Apple TV+のメリット
月額料金が安い
Apple TV+は、月額600円、年額6,000円と、
定額の見放題サービスとしては格安。
Appleのサービスとして考えると、より安く感じる不思議。
無料トライアルも7日間有り、
対象のApple製品の購入者には、1年間無料で使える特典が付いてたりする。
かくいう私も、Apple TV 4Kの特典で使っています。
→Apple TV HDとApple TV 4Kの違い。Apple TVのメリット・デメリット。
ちなみに、「Apple One」にもApple TV+は含まれており、
Apple Oneの個人プランは、月額1,100円、
ファミリープラン(最大6人)は、月額1,850円となっています。
Apple Oneで使えるサービス
- Apple Music:月額980円(ファミリーは月額1480円)
- Apple TV+:月額600円
- Apple Arcade:月額600円
- iCloud 50GB:月額130円 ※ファミリーは200GB
Apple Oneは、個人だとセットで安くなりますが、
Apple TV+とApple Arcadeは、もともと家族6人まで使えますので、
ファミリーだと、そこまで得してる感じは無い。
TVもArcadeもまだまだ発展途上だし、
そもそもAppleって囲い込みが強すぎて、
他社端末、サービスとの互換性という部分で劣ります。
特に、iCloudは抜け出せなくなる仕組みが有るので気をつけて。
私は、スマホはiPhone。タブレットはiPadを愛用してますけども、
音楽はSpotify、クラウドストレージはDropboxが最強だと思ってます。
コンテンツの質が高い
月額料金は安いですが、
見放題のApple制作コンテンツは超高品質であり、
いずれの作品も、スンゲーお金を使って制作されており、
有名な役者、監督が関わった作品だらけなの。
ジェニファー・アニストンとリース・ウィザースプーンW主演の「ザ・モーニングショー」。
ジェイソン・モモア主演の「SEE 暗闇の世界」。
M・ナイト・シャマランの「サーヴァント ターナー家の子守」。
オクタヴィア・スペンサーとアーロン・ポールの「真相 Truth Be Told」。
クリス・エヴァンスの「ジェイコブを守るため」。
アンソニーマッキーとサミュエル・L・ジャクソンの「ザ・バンカー」。
トム・ハンクス脚本・主演の「グレイハウンド」。
スティーヴン・スピルバーグ版の「世にも不思議なアメージング・ストーリー」が有ったり。
まぁ、とにかくお金が掛かっています。
中でも「SEE 暗闇の世界」の1話あたりの制作費は、
約1,500万ドル(約16億円)と言われており、
HBOの超大作「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終シーズンを超えるとか。
実際に、「SEE 暗闇の世界」の第一話を見ただけで、
金の匂い(良い意味で)を感じます。
まぁ、制作費が高ければ面白いわけではないですけども、
スケールがデカいってだけで期待するし、やはり見たくもなる。
4K HDR、Dolby Atmos対応
Apple TV+のコンテンツは、
ほとんどの作品が、4K HDR(Dolby Vision)とDolby Atmos対応しています。
Dolby Visionは、HDR規格の一つ。
4Kの高精細映像だけでなく、色鮮やかな映像美を楽しめるわけ。
→動画の画質と解像度「SD、HD、フルHD、4K UHD、8K、480p、720p、1080p、HDR、Dolby Vison」の意味と違い
ホームシアターにも完全対応しており、
最新のサラウンドシステム「Dolby Atmos」作品ばかり。
→サラウンドシステムの種類と「5.1ch、7.1ch、9.1ch、Dolby Atmos」の違い
iTunes Storeのビデオ作品も、VODとして最高峰。
Apple TV+然り、iTunes Store然り、
現代の最高峰環境で映画やドラマが視聴できるわけ。
実際のところ、Blu-rayで視聴するよりも、
iTunesで借りる、買う方が綺麗だったりするわけで、
Blu-rayレンタルよりもVODの方が、高スペックな時代ですからね。
→動画配信サービスのメリット・デメリット。VODと宅配レンタルとの違い。
Apple TV+とiTunes StoreのDolby Atmos対応作品は、
AirPods ProやAirPods Maxの「空間オーディオ」に対応しているので、
イヤホンだけで映画館のようなサラウンド体験ができるってのも凄い。
対応端末が豊富
Appleのサービスで懸念するのがApple縛りですが、
Apple TV+は対応端末が非常に多く、
Amazon端末、Google端末、ゲーム機・・・と、
VODの中では、トップクラスに対応端末も多いです。
Apple TV+の対応端末
対応端末 | |
---|---|
スマートフォン・タブレット | iPhone iPad iPod touch Android ※ブラウザ視聴 |
パソコン | Mac Windows Chrome OS |
ゲーム機 | PlayStation 5 PlayStation 4 Xbox One Xbox One S Xbox Series X Xbox Series S |
テレビ | Sony(ブラビア) LG Samsung VIZIO |
メディアプレーヤー (STB) |
Chromecast with Google TV Apple TV Amazon Fire TV Roku |
Blu-rayプレイヤー HDDレコーダー |
ソニー [ブルーレイディスクプレイヤー] ソニー [ホームシアターシステム] ソニー [コンポーネントオーディオ] TOSHIBA [REGZA] Panasonic [ディーガ] |
その他 | MOVERIO BT-300 popIn Aladdin Google Home Google Nest Hub Anker Nebula Capsule II |
iPhone、iPad、Mac、Apple TV・・・とApple端末に完全対応、
Apple TVはアプリだけでなく、AirPlay出力も可能。
ライバルGoogleの「Android TV」や、Amazonの「Fire TV」にも対応。
Fire TVシリーズで、Apple TVと同じように使えるし、
→新型Amazon Fire TV Stick(第3世代)と4KモデルとFire TV Cubeの違い。歴代Fire TVシリーズのスペック比較。
Android TV OS内蔵のテレビで使えるということは、
「Chromecast with Google TV」にも対応しているのです。
→新型Chromecast with Google TVとChromecast(第3世代)の違い、歴代クロームキャストとの比較
ゲーム機の「プレイステーション」にも対応してるし、
Microsoftの「Xbox」シリーズにも対応済み。
LGテレビは、Apple TVアプリだけでなく、AirPlayにまで対応しちゃってる。
いや、こんなんApple TVの出番も減りますわ。
Apple端末以外は、最初にApple IDアカウント認証が必要ですが、
QRコードスキャンでサインイン出来たりと、
iPhoneユーザーは、難なくアクティベートもできるようになってます。
また、Appleの「ビデオ」アプリも「Apple TV」アプリへ統合されてます。
これもケッコーな革命。
iTunes Storeのビデオ作品(レンタル・購入・チャンネル)まで、
他社端末の「Apple TV」アプリで視聴できるということ。
新作映画で4K HDR、Dolby Atmos対応してるのって、iTunesくらい。
高スペックなAppleの動画を、端末選ばず視聴できるようになってるの。
ダウンロード、同時視聴6台まで可能
Apple TV+は、動画のダウンロードに対応しているので、
オフライン環境下でも動画の再生が可能です。
また、複数端末での同時視聴にも対応しており、
Appleのファミリー共有にも対応しているので、
最大5人の家族とApple TV+を楽しめます。
共有できる家族は5人までですが、
最大6台のデバイスで、同時ストリーミング再生が可能。
一つのアカウントで同時視聴することもできるのです。
7台目の端末で再生すると・・・ちゃんとエラーでました。
他社VODでは、同時視聴5台までが限界であり、
これでApple TV+は月額600円。
家族居るなら、Appleのファミリー共有って凄い得。
Apple TV+の見放題に限らず、
動画レンタル・購入、アプリ購入と、1人の値段で済むのです。
多言語学習に使える
Apple TVは、音声、字幕の対応言語が凄い豊富です。
英語字幕はもちろん、世界各国言語の音声&字幕に対応しています。
Netflixを超えるんじゃないか?ってくらい。こちらも最高峰の対応っぷり。
また、Apple TV+のコンテンツは、CC、SDH、AD・・・といった、
視覚や聴覚障がい者向けの字幕(バリアフリー字幕)まで付いてます。
- CC(Closed Captioning):クローズドキャプション
- SDH(Subtitles for the Deaf and Hard of Hearing):聴覚障害者及び難聴者の為の字幕
- AD(Audio Description):音声解説
CC、SDHはよくありますが、ADまで付いているのは凄い。
iPhone等のApple端末も「アクセシビリティ機能」が有りますからね。
この辺のサポートは、他社が真似できない素晴らしいところ。
子供向けアニメなら、語学レベルが低くても理解できるし、
アニメまで、バリアフリー字幕、4K、Dolby Visionにも対応と、徹底っぷりが凄い。
家族アカウントもファミリー共有で見放題だし、子供の学習にもオススメ。
動画ダウンロードにも対応しているので、
外出時のオフライン環境下でも英語学習ができるのです。
Apple TVアプリには、「ピクチャ・イン・ピクチャ機能」も有るから、
ノートや辞書アプリを起動しながら視聴したり。
iPadってペンタブや学習端末としても優秀ですからね。
Split View(マルチタスク機能)で画面分割もできるので、
ペーパーレスで言語学習も可能なんよ。
Apple TV+のデメリット
見放題はオリジナル作品のみ、作品数が少ない
Apple TV+で見放題となるコンテンツは、
Appleが制作したオリジナル作品(Apple Original)のみとなります。
Apple TV+も2020年に始まったばかりのサービスであり、
Apple Originalの番組も映画も、まだまだ数えるほどしか有りません。
毎月オリジナル作品を追加してるとはいえ、数十作品しか無いのです。
Apple TV+ 配信作品
作品名 | |
---|---|
ドラマシリーズ | ザ・モーニングショー ジェイコブを守るため サーヴァント ターナー家の子守 迷宮のアリス レポーターガール リトル・ヴォイス アメージング・ストーリー 真相 Truth Be Told テヘラン フォー・オール・マンカインド SEE 暗闇の世界 |
コメディシリーズ | ディキンスン 若き女性詩人の憂鬱 リトル・アメリカ 神話クエスト:レイヴンズ・バンケット テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく セントラル・パーク TRYING 親になるステップ |
長編作品 (映画) |
グレイハウンド ボーイズ・ステイト ウルフウォーカー オン・ザ・ロック ハラ ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている ファイヤーボール 宇宙からの来訪者 ビースティ・ボーイズ・ストーリー LETTER TO YOU Dads 父になること ゾウの女王:偉大な母の物語 パーマー The Banker ザ・バンカー |
ノンフィクション シリーズ |
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まもなく登場 | チェリー CALLS コール FOUNDATION |
※2021年3月現在
高品質とはいえ、作品数では他社には到底及ばないわけで、
月額600円という価格にしないといけない理由も有ったのでしょう。
Androidアプリ無し、Chromecast未対応
対応端末は豊富と言いましたが、
Androidスマホではブラウザ再生となり、専用アプリが有りません。
「Apple TV」アプリが使えないので、
ブラウザ視聴では「ストリーミング再生」しかできません。
Android端末では、動画のダウンロードも不可能ってこと。
また、スマホからのキャストにも未対応であり、
Chromecastを使って、テレビへの出力もできません。
最新のChromecast with Google TVなら使えるけど、これはAndroid TVだから。
→新型Chromecast with Google TVとChromecast(第3世代)の違い、歴代クロームキャストとの比較
Android TVで使えて、Androidスマホでは使えないってのは、
Apple TVが普及してないってのも有るハズ。
「4K HDR」と「Dolby Atmos」だって、
「Chromecast with Google TV」と「Amazon Fire TV Stick 4K」で対応済み。
「Apple TV 4K」よりも、コストパフォーマンスも高いは明らか。
かくいう私はiPhoneユーザーですが、Apple TVよりも、
Fire TVやAndroid TVの方が便利だと思ってますからね。
→Amazon Fire TV Stick、Chromecast、Apple TVの比較と違い。オススメの動画再生端末と選び方。
Amazon Fire TVは、VOD端末でコスパ最強であり、
Fire TVのみアダルト再生可能です。
ただ、VOD以外にも使うつもりなら、Chromecast with Google TVが良い。
→「Chromecast with Google TV」と「Amazon Fire TV Stick 4K」の比較と違い
アダルトって要らないようで有ったら便利。
それが目的ではないけども、ついでにアダルト見放題のVODも増えてるから。
→アダルト動画の見放題サービスを比較。成人男性にオススメのVODランキング。
ちなみに、Fire TVとFireタブレットでは別物なので気をつけて。
Apple TV+は、Fireタブレットアプリに未対応、ブラウザ再生も不可でした。
まぁ、Fireタブレットって、他VODにもほぼ未対応ですし、
タブレット端末としても、ちょっと微妙なんですよね。
→Amazon Fire HDレビュー。iPad、Androidタブレットと比較したデメリット。
有料レンタルも表示される
Appleの「ビデオ」アプリは、「Apple TV」アプリに統一となったので、
レンタル、購入、チャンネル、見放題で同じアプリを使うということ。
iTunesストアの有料動画と共通アプリなわけで、
Apple TV+の見放題以外の動画も一緒に表示されるのです。
見放題対象作品に、有料レンタル&購入作品が入り交じる。
検索機能で絞り込むと、ほぼレンタル作品しか表示されない。
見放題となっているのは、
下のバー「Original」で表示される作品のみ。
Originalページでは、同じ作品が横一列に表示されていたりと、
Apple TV+だけだと殺風景になっちゃうから、まぁ、仕方ないよね。
Apple TV+まとめ
Apple TV+は、オリジナル作品の質、再生システムとVOD最高峰、
どれも気になる作品ばかりであり、
他社では絶対に見られない作品しか有りません。
1つでも気になる作品が有るなら、
月額600円の価値は十分有ると感じました。
1ヶ月600円で、現代の最高コンテンツを見放題できる。
高品質動画を体験してみたいって人にもApple TV+は良いと思う。
ホームシアター環境が有る人だけでなく、
AirPods Proでも最先端の「空間オーディオ」は体験できるからね。
新作映画1本レンタルする価格で、色々と楽しめるのです。
最大の難点は、やはりコンテンツ数。
メジャーな海外ドラマや、ハリウッド映画は無いし、
現在のコンテンツで考えると、契約し続けるってことは厳しいかな。
だから月額料金も安くして、無料トライアルも有るのでしょう。
実際、使ってみて思ったのも、不満があるのは動画数だけ。
このスペックで、コンテンツが増えたらヤバい。
どこのVODも莫大な資本力で・・・ホント制作費かけまくりです。
如何に質の高い作品を配信していくか?日本のVODが厳しいのも仕方ない。
→動画配信サービスの特徴と比較まとめ。オススメの見放題VODと選び方。
語学を学ぶという点でも、コスパが良いんじゃないかな。
使い勝手はトップクラスで、月額料金も最安レベルで、
ファミリー共有もできるってのも良い。
Apple端末との連携も素晴らしいし、
今後に期待大、さすがApple社の見放題サービス。
酷評されるほど、悪くなかったです。